横浜市開港記念会館 (国指定重要文化財・横浜市中区公会堂)
赤煉瓦の時計塔として親しまれているこの建物は、横浜の開港50 周年を記念して大正7年にたてられました。
県立歴史博物館や赤レンガ倉庫と並んで横浜を代表する代建築物です。
横浜では希少となっている震災前の煉瓦造建築物ですが、全く無傷であったわけではなく、ドーム部分や屋根は損壊し、内部も火災により焼失したそうです。
その後、昭和2年に復旧しましたが、屋根は当初と異なる簡単な陸屋根、しかもドームの復元はなされないままでした。
しかし平成元年、今度は開港100周年の記念事業として、これらの部分の完全復元が行われ、同年、国の重要文化財に指定されました。
時計塔は“ジャック”と呼ばれ、県庁本庁舎の“キング”、横浜税関の“クイーン”と並び、入港する船員からトランプの3塔として親しまれています。
この地は、かつて鎖国から開国へ踏み出した時代には、日本人町の端で、外国人居留地との接点だったそうです。
横浜の町政を司った横浜町会所跡、岡倉天心生誕の地、また横浜商工会議所発祥の地で、それぞれの記念碑がたてられています。
歴史とともに町を見下ろして100年あまり。この初秋、赤煉瓦の時計塔でどんな新しい歴史が刻まれるのでしょうか。
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